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キャッシングの自転車操業

高校を卒業した私は、とある信用金庫に勤めた。
入庫するとすぐに、クレジットカードの申込書を渡された。
金融機関系のカードである。
当時は、今ほどクレジットカードの数は無く、一種のスティタスのような雰囲気もあったし
審査も厳しかったのではないだろうか。
30年近く前の話である。

たかだか、高校を出たばかりの18歳の女の子にクレジットカードを持たせるなんて
無茶な話だ、と思う。
今は学校などでローンやカードの教育をする、ということも聞いたことがあるが
当時は、カードがどんなものであるか全く知らなかったに等しい。

はじめてカードを使ったのは、デパートだ。
靴を買った。
前から欲しかったリーガル社の靴だ。
20000円くらいしたと思う。当時の私の月給は80000円くらいだった。

ものすごく高価な買い物だ。
現金では買えない。
しかしカードを出せば、店員がうやうやしく頭を下げ商品を包んでくれた。

カードを出したことで、もう支払いがすんだような気になっていた。

当たり前だが、翌月に請求が来る。
はじめてカードを使ったときは、ちゃんと給料から支払った。

しかし、買い物したときの快感が忘れられず、私のカードの使用頻度は高くなっていく。
お決まりのように、支払いができなくなってきた。

お金がない!!そんなときに「キャッシング」というお金を借りることを思いついた。
今は、ATMで気軽にキャッシングができるが、当時はカードの発行店へ行き
カード会社の社員にカードを見せ、用紙に金額を書いてもらい
現金をもらう、という方法だった。

一度借りると、それを返すのにまた翌月借りるという典型的な自転車操業に陥った。
こんなことをしていてはいけない、と何度も思ったが
やめることはできなかった。
お金が欲しく、お金がなかった。

まだ何万円という単位ですんでたのが幸いだった。

信用金庫を退職することになり、そのクレジットカードも返却しなければならなくなり
それまでの借入金は、なんとか退職金で返済できた。

ホッとした。
これ以上落ちずにすんだ。

 

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